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ジェネリック医薬品が安い理由とは?成分はかわらないって本当?

この記事の最終更新日は2019年08月02日です。
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薬剤師を目指している方は、先発医薬品とジェネリック医薬品の違いを知っておきましょう。医師の処方せんを持って薬局に行った際に、薬剤師からジェネリック医薬品をすすめられた経験がある方も多いのではないでしょうか。ジェネリック医薬品と先発医薬品は効果が変わらないと言われたけれど、本当なのか不安を感じている方もいるでしょう。

先発医薬品よりも安いため、安全性などに問題があるのか気になる方もいますよね。そこで今回は、ジェネリック医薬品が安い理由や効果の違い、安全性などについて詳しく解説していきます。

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ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品は後発医薬品とも呼ばれ、先発医薬品である新薬の特許が切れた後に作られる医薬品です。効果が同じであるにもかかわらず、新薬よりも薬価が低く設定されています。

厚生労働省の資料によると国民医療費は年々増加しており、10年前と比べると約20%増となっています。中でも、薬剤費は大きなウエイトを占めているため、ジェネリック医薬品の使用が国によって推進されているのです。しかしながら、平成26年度ロードマップ検証検討事業報告書概要によると、ジェネリック医薬品の使用率は年々上がってきてはいるものの、世界各国と比べると、まだまだシェアが低い状況です。そのため、薬剤師にも、ジェネリック医薬品のシェア率アップに向けて、先発医薬品との違いや安全性について、患者にしっかり説明する姿勢が求められます。

(※)0000174266.pdf

(※)Microsoft PowerPoint – ロードマップ検討事業の概要_150821(公表版)

ジェネリック医薬品が安い理由

ジェネリック医薬品が新薬よりも安いのは、開発にかかるコストを削減できるためです。新薬の開発には膨大な時間とコストがかかるため、費用を回収するために比較的高額の薬価が認められています。しかし、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ成分で作られるため、開発コストを大きく削減できるのです。その結果、先発医薬品よりも安く販売できるようになります。

薬の特許期間は20年です。しかし、臨床試験などを繰り返し、実際に世の中に流通するまでに10年程度かかるため、先発医薬品が流通してから約10年後にジェネリック医薬品が販売されます。

ジェネリック医薬品と先発医薬品の成分について


ジェネリック医薬品には、先発医薬品と同一の有効成分が含まれています。そのため、効果や副作用が同等となっているのです。ただし、何もかもが同じ成分というわけではありません。先発医薬品よりも飲みやすくするために、味や形を変えている場合もあります。

また、添加物の特許関係の事情により、先発医薬品とは異なる添加物を使用しているケースもあります。しかし、ジェネリック医薬品の多くは最新の技術を用いて製剤化がおこなわれているため、先発医薬品の欠点を改良した製品も多く、価格以上のメリットがある場合もあります。

しかし、添加物が変わることにより、先発医薬品では問題なかったのに、ジェネリック医薬品でアレルギー反応が出るケースがあります。そのため、先発医薬品からジェネリック医薬品に変更する際には、アレルゲンが含まれていないか確認が必要です。

薬剤師としても、患者のアレルギーを確認して、問題がある場合には代替薬の提案や処方変更を依頼することもあります。また、ジェネリック医薬品に対して、「先発医薬品よりも効果が低い」という強い思い込みがある場合には、ノセボ効果によって、期待される効果が発揮されない可能性があります。

ノセボ効果とは、薬を服用しているにもかかわらず「この薬は効かない」と思い込むことにより、効果があらわれなくなることを指します。類似したものに「プラシーボ効果」があり、こちらは偽薬を服用しても、薬だと信じ込む事により、何らかの効果があらわれることを指しています。

ジェネリック医薬品の安全性について

ジェネリック医薬品の安全性は低いと考える方もいますが、ジェネリック医薬品においても様々な試験が定められているため、安全性に問題はありません。膨大な時間とコストをかけて製品化されている先発医薬品と同等の安全性が、国によって認められているのです。ジェネリック医薬品が世に流通するまでに、次のような試験が行われます。

規格試験

先発医薬品と同じ効果や副作用であるかを調べるために、有効成分の純度や量を確認する試験です。同じ含有量でも、有効成分の純度で効き目が変わるため、純度までしっかり調べます。

溶出試験

先発医薬品と同じ溶け方をするか調べる試験です。溶けるまでの時間が変わると、効果や副作用が現れるまでの時間が変わります。胃で溶けるべき薬が大腸で溶けるなどすれば、副作用の出現率に関わる事態になる恐れがあります。

生物学的同等性試験

先発医薬品と同じ早さで同じ量の有効成分が身体に吸収されるかを調べます。血中濃度といい、薬が血液中にある濃度や時間が変わると、効果や副作用の現れ方が変わります。

安定性試験

湿度や光などによって品質が影響を受けないか、長期保存しても変化が起こらないかを調べます。

(※)参照元:日本ジェネリック製薬協会 |2. ジェネリック医薬品に不安・疑問のある方へ

ジェネリック医薬品をうまく取り扱おう

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同一の有効成分が配合されており、効果や安全性も国によって認められている薬剤です。国民医療費を削減するためにも、積極的に使用していくことが求められています。ジェネリック医薬品と先発医薬品と同じであることを伝えるためには、時には図やイラストを用いて、わかりやすく説明する必要があります。薬剤師としてジェネリック医薬品をうまく取り扱い、使用率が上がるように努めましょう。

現場の薬剤師からひとこと

超高齢社会を目前にした現在の日本では、2020年9月までにジェネリック医薬品の使用割合を80%とすることが目標に掲げられています。一般名の処方せんも多く目にするようになり、ジェネリック医薬品は順調に普及しつつあります。
近年では、「オーソライズドジェネリック(AG)」とよばれる、新しいタイプのジェネリック医薬品も発売されるようになりました。しかし、患者の選択肢もますます増えつつある一方で、適切な薬剤を選ぶことが難しいというケースも生じるようになりました。薬剤師は医薬品の専門家として、薬剤の選択に悩む患者をサポートしていくことが求められています。ジェネリック医薬品の安全性やメリットをしっかりと説明できるよう、知識を習得していくようにしましょう。

この記事を監修した人

安永 裕矢(やすなが ゆうや)

監修者プロフィール

6年制薬学部を卒業後、製薬会社MRを経て、調剤薬局に勤務。製薬会社では幅広い領域の薬剤を扱っていたので、様々な領域の医薬品知識にもとづいた服薬指導を心がけています。趣味はドライブ、スノーボード、食べ歩きなど。